明日、君がいない(2:37)

荘厳な歌、空、木の葉の揺らぐ様子。オーストラリアの高校で、一人の女生徒が自殺を図るまでの一日を描く。


マーカス:父を尊敬しており、弁護士を目指す。学校からはオタクと呼ばれている節がある。

メロディ:マーカスの妹。部屋で泣いている場面から登場。学校のトイレで妊娠検査薬で確認すると、陽性反応が。父親は一体・・・。

ルーク:スポーツ万能で、少しワルい感じ。女子からはモテて注目を集めている。しかし彼には秘密があった。

ショーン:最初は女が好きだと言っていたが、実はゲイ。学校からはみんなからカマ野郎と呼ばれ、不当な扱いを受けている。

サラ:ルークの彼女。ルークを愛しており、早く結婚したいと思っている。所構わずルークといちゃついている。

ティーヴン:生まれつき片足が短いという障害を抱えている。また、尿道が二つあり、自分でも気付かない内に漏らしている。学校では、教師からも生徒からもいじめに遭っている。


2:37、それぞれの学校生活の中で、抱えている問題の多さ・誰にも言えない秘密に苦しむ様がむざむざと表現されている。

場面が進むにつれて、登場人物それぞれの関わりが明らかになり、衝撃の事実を目撃する。

内包する叫びは暴力、涙、自虐、色々な形で現れ、また助けを求める術を知らない10代の現実に目を背ける事ができない。

この作品を見た方の多くが口にしているが、「エレファント」(監督:ガス・ヴァン・サント。高校で起きた銃乱射事件をテーマにした作品。)と、撮り方が似ていて、エレファントの内容も彷彿とさせる作品でした。

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「明日、君がいない」:2006年。オーストラリア。監督:ムラーリ・K・タリル。