ゼロ時間の謎

殺人事件は、人々をある点に導く物語の結末に過ぎない。その点こそがゼロ時間なのです。

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テニスプレーヤーのギヨームは、ヒステリックだが美しい妻・キャロリーヌを連れて、ブルターニュ地方にある大金持ちの叔母・カミーラの別荘・カモメ荘に赴く。

そこには、ギヨームがキャロリーヌと結婚する為別れた前妻・オードも来ていた。さらに、昔からオードを好きだった親戚のトマやキャロリーヌの友人・フレッドなども集まる。

複雑な人間関係の中、ディナーに招待されたカミーラの友人で、弁護士のトレヴォースが、ディナーの最中に奇妙な話を切り出す。

昔担当した事件で、弓矢遊びをしていた少年二人が、一人の胸を射抜いて殺してしまったという。加害者の少年は故意ではなく偶然の事故という事で、何の罪にも問われなかった。しかし少年の同級生が、前日少年が弓の練習をしているのを目撃しており、とてもうまかったと証言をしている。今となっては事故だったのか殺人だったのか真実はわからない。ただ、その少年は、身体に何かしらの特徴があり、今出会ってもわかると弁護士は言う。

誰が聞いても、その特徴を話そうとしない弁護士。夜遅くなり、弁護士をホテルまで送るギヨームとフレッド。心臓が悪い弁護士は、エレベーターへ進むが、「故障中」という札が。仕方なく階段を登って部屋まで行こうとするが・・・。

翌朝、弁護士が心臓発作で死んだとカモメ荘に連絡が入る。なんでも、ホテルに確認するとエレベーターは先月点検をしたばかりで「故障中」なんてありえないというのだ。

これは巧妙に仕組まれた殺人だと、バタイユ刑事が言う中、カモメ荘で第二の殺人が起きる・・・。

弁護士の死と奇妙な話は何か関係があるのか。次に殺害されるのは?巧妙に仕組まれた罠とは。西は断崖絶壁。カモメ荘に辿り着く道はわずか二本。この完全なる孤立した屋敷の中で、バタイユ刑事が突き止めた真相とは。


最後まで目が離せない展開。原作はアガサ・クリスティ。二転三転の展開に加え、複雑な人間関係(特にオードを取り巻く関係)が凝っていた。

また、車に乗った楽器隊が要所に出てきて、BGMを奏で、最後のエンドロールでも楽器隊が出てきて楽しませてくれた。楽器隊が乗っているメリーゴーランドみたいなセットもかわいくて素敵。

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ゼロ時間の謎」:フランス・2007年。監督:パスカル・トマ、キャスト:メルヴィル・プポーキアラ・マストロヤンニ、ローラ・スメット